大谷翔平の全試合を現地観戦する「ミニタニ」が振り返る、チーム残留までの緊張感とその後の「地獄絵図」 (2ページ目)
【華やかだったオールスターとは対照的に......】
45勝46敗、借金1で迎えたエンゼルスの後半戦。しかしスタートと同時に衝撃的なニュースが球界を騒がせた。
「エンゼルスが大谷翔平をトレードで放出!」
トレード期限(現地時間8月1日)まで約2週間に迫った頃、 各メディアは大谷選手のトレード予想を一斉に報道。 その"行き先"は全米を巻き込む論議になった。
昨年もエンゼルスは負け越しムードになり、同じようにトレードの噂があったが、今年のニュースにはかなり信憑性があった。昨シーズンのオフには球団の身売り話があり、大谷選手の契約最終年という状況もあって、移籍先の候補となる球団も絞られ、トレードはほぼ確定の空気感だった。
ミニタニ自身も候補先のユニフォームの予約、トレード先での滞在場所などの下調べに追われた。ただ......正直、ミニタニ的には今回のトレードには賛成だった。
大谷選手が上位の球団に行けばワールドシリーズ進出への可能性が上がり、エンゼルスには若手有望株の加入でチームが再生する可能性もある。ミニタニとしても、新たな球場で、新しいユニフォームで応援することで新しい世界が広がる。それを受け入れてくれるファン、「裏切り者」と呼ぶエンゼルスファンもいるだろうけど、すべて覚悟の上だった。
大谷選手を愛する気持ちはみんな一緒。 だが、大谷選手やエンゼルスの未来を見据えたファンの意見は2分化していた。
「世界最高の選手をトレードで放出するなど、球団の恥」
「この地球上でもっとも優れた選手が、他のチームに行くところは見たくない」
「大谷をトレードで放出し、若手有望株をチームに加入させて再建を目指すべき!」
「シーズン終了後にFAで他球団に移籍することは確実。ならば、チームは今年のプレーオフ進出は諦めて、今すぐ"売り"に転じるべきだ」
最後にエンゼルスがプレーオフ進出を果たしたのが2014年。 MVPを3度受賞しているマイク・トラウトでさえも1度だけしか経験したことのない世界だ。エンゼルスは今シーズンもプレーオフ進出を諦めるのか、それとも......その決断に注目が集まった。
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