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大谷翔平がホームラン王へ正念場 2021年シーズン以上の四球、疲労蓄積を乗り越えられるか (2ページ目)

  • 井本佳孝 取材・文 text by Imoto Yoshitaka
  • photo by USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 また、終盤にかけて気になるのはシーズンを通してフル稼働してきたフィジカル面の問題。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では侍ジャパンの世界一に貢献したが、そのままシーズンインした今季の休養日はわずか2試合のみ。

 投手としては、オールスター前最後の登板となった7月4日のサンディエゴ・パドレス戦で、右手中指の爪割れとマメの影響で6回途中降板。8月3日のシアトル・マリナーズ戦でも、4回無失点に抑えながら右腕と指の痙攣で降板した。

 野手としても、37、38号を放った7月28日のデトロイト・タイガース戦(ダブルヘッダー第2試合)、39号を放った29日のトロント・ブルージェイズ戦で快音を響かせながら痙攣で途中交代している。マイク・トラウトを故障で欠く中で獅子奮迅の活躍を見せてきたが、その奮闘の陰に見え隠れする満身創痍の状態は気になるところだ。

 また、大谷は2021年に46本塁打、去年も34本塁打を放っているが、いずれも後半戦に本塁打のペースを落とした。2021年は7月終了時点で37本を放っていたが、8月に5本、9月と10月で4本と急失速。2022年シーズンは9月以降に4本と、同じくペースは上がらなかった。

 四球や申告敬遠の増加からもわかるように、相手からの警戒がさらに強まったことはもちろんだが、投打でフル稼働する身体に蓄積していくダメージは、他の選手と比較できないものがあることは想像に難くない。

 実際に大谷は最近のコンディションについて、4回で降板した3日のマリナーズ戦後に、「最近よく(身体が)つっている。もう1、2イニング様子見でいこうと思えばいけたかもしれない。でも、1点を争うようなゲームだったので、投げる選択のほうが迷惑がかかるかもしれなかった」と、自ら交代を申し出たことを明かした。ただ、「もう休むような試合はないし、1試合1試合全部出たい」と、疲労の影響を示唆しながらも、残りシーズンをフル稼働していく覚悟を示した。

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