大谷翔平の肉体は「別次元の宇宙人」「スポーツ科学の常識からは考えられない」 筋肉のプロ・谷本道哉も驚く「二刀流ならではの体型」とは (2ページ目)

  • 小林 悟●取材・文 text by Kobayashi Satoru
  • photo by Getty Images

●投手専念なら球速170キロもあり得る

 下半身や体幹が必要なのは言うまでもないが、むやみやたら上半身を鍛えてもパフォーマンスは上がるとは限らないそうだ。

「大谷選手と同年代で、今シーズンからメジャーリーグに挑戦する藤浪晋太郎投手の体型を思い浮かべてみてください。

 背格好が似ていてガッシリしていますが、腕まわりはそこまで太くありません。本来はそれがピッチャーに適した筋肉のつけ方だと言えます。

 なぜなら、腕に筋肉をつけすぎると投げる時にそれが重りとなって、球速が出づらいからです。生み出した運動エネルギーの多くを、腕を振ることにとられてしまいます。

 しかし、大谷選手は特大ホームランを量産できる太い腕を持ちながら、160キロを超える剛速球を投げる。これは、スポーツ科学の常識からはちょっと考えられないこと。別次元の宇宙人に見えます(笑)」

この記事に関連する写真を見る 今シーズンもメジャーリーグが開幕すると、「ピッチャーかバッターのどちらかに専念したらどれだけすごい記録が誕生するだろう」との声が聞こえてきそうだが......。

「球速がすべてではありませんが、ピッチャーに専念して、藤浪投手のような体型にしたほうが球は速くなると思います。球速170キロを超えて、さまざまな記録を塗り替えられるかもしれません。

 ただし、その領域に達すると肩や肘が耐えられなくなるかもしれない。ホームランバッターとしての太く腕の重りをつけたまま投げているおかげで、過剰な負荷がかかるのを防ぐことができていると考えることもできますね」

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