筒香嘉智は「自動的にアウトになる」と地元ピッツバーグでも失望の声。低迷の理由は「打球の方向」に表れている (3ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by スポニチ/アフロ

打撃コーチの能力にも疑問

 また同紙は、今季の筒香には『いい面もある』ことを明かす。

「昨季11%だった空振り率は、今季8%に減少。一方、四球率は昨季より3%も増えており、プレートディシプリン(選球眼)は問題ない」

 加えて、「MLBスタットキャスト(MLBで導入されているデータ解析ツール)によれば、筒香が打ち返した打球速度と打球角度から算出された今季の打率は.233である。これは過去2シーズンの予想平均値より高い」と、筒香の打球の質が進化していることが、「いいニュースである」と述べられている。

 5月20日、筒香は「コーチとは"結果は気にせず、このスイングを続けよう"と話している」とコメントし、実際にスイングの形も戻りつつある。5月21日に本拠地で行なわれたセントルイス・カージナルス戦に「6番・DH」で出場した筒香は、2回の第1打席でセンターオーバーの二塁打を放った。さらに23日にはライトへの本塁打を放つなど、以前よりもプルフィールド寄りになっている。これはいい兆候ではないだろうか。

 しかし、スルボドニック記者は、「パイレーツのアンディ・へインズ打撃コーチがよくない。彼以外の人材を探したほうが筒香のためになると私は思います」と、ヘインズ打撃コーチの能力を疑問視。今のままでは筒香の打撃不振がさらに長期化する可能性を示唆し、最悪の状況を次のように語った。

「私は筒香を信じているが、彼が何かを掴むまで永遠に待てる時間はない。(一塁手には)マイケル・チャビス、ダニエル・ボーゲルバック、メイソン・マーティンと代わりになる選手がいます。こんなことは言いたくないが、最悪の場合、DFA(事実上の戦力外通告)という選択肢もあり得ます」

 昨季の終盤から一転して、苦しい状況が続いている筒香。現状を打破するには、期待される打撃力で実力を示していくしかない。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る