鈴木誠也の記録ラッシュに「歴史的デビュー」と地元メディアも大絶賛。適応の早さのカギは「見極め力」と分析 (2ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by Kyodo News

「これほど早くメジャー対応できるとは・・・」

 現地メディアやファンが目を丸くするのも無理はないだろう。今年は新労使協定をめぐる労使交渉の影響で春季キャンプは短縮。鈴木に与えられたメジャーへの適応期間は1カ月弱で、オープン戦での実戦経験もわずか20打席のみだった。

 スポーツ専門紙『スポーティングニュース』は、鈴木の特集記事(4月13日付)で次のように伝えている。

「日本からMLBに移籍した選手は、一般的に苦戦すると予想されている。カブスが広島カープのスター・鈴木誠也を獲得した際、『彼はメジャーに適応できる』と認識はされてはいた。しかし、これほど早くメジャー対応できるとは誰も想像していなかった」

 鈴木はなぜこれだけ早くから活躍できたのか。『スポーティングニュース』は、鈴木のカブス入りがほぼ確実となった3月16日の記事で、次のように予想していた。

「鈴木がメジャーに適応できるかを予想するのは難しい。筒香嘉智や秋山翔吾はメジャー1年目に苦しんだ。しかし、鈴木は非常にバランスがいい打者で、昨シーズンは38本も本塁打を打ちながら、三振率はわずか17%だった。筒香の日本での最終シーズンの三振率は25%(29本塁打)。秋山の三振率は鈴木に近い16%だったが、本塁打はわずか20本。鈴木のストライクゾーンに対するセンスとバランスからすれば、メジャーでもスムーズに適応できるのではないか」

 4月12日の試合後、カブスのベンチコーチであるアンディ・グリーン氏も同様の見解をメディアに話していた。

「(鈴木は)シーズン開幕以来、ストライクゾーンを見事にコントロールできている」

 鈴木のストライクゾーンを見極める力は、活躍の要因のひとつと言えそうだ。

 MLB専門局『MLBネットワーク』も、4月13日に放送された「MLBセントラル」という番組で、活躍の理由を分析している。

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