菊池雄星に地元紙の評価は真っ二つで年俸は「過払いになる」の声も。鈴木誠也には予想成績からも大きな期待 (4ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by AFLO

1年目の鈴木に求められる成績は?

 一方で、鈴木の争奪戦に敗れたチームのメディアは次のように伝えている。「ジャイアンツが狙っていた鈴木誠也はカブスと契約したようだ」(『NBCスポーツ』)、「イライラしたオフが続く中、パドレスはまたも大物FA獲得に失敗した」(『フライヤーズ・オン・ベース』)。これらの記事には、鈴木の獲得失敗に対して悔しさが滲み出ているものも少なくない。

 特にレッドソックスの地元メディア『NESN』は17日、「鈴木がカブスと契約したあと、レッドソックスが成功を収めるためのオプションは何か」という記事で、「鈴木誠也は外野が埋まっていないチームにぴったりだと考えられていた。鈴木は水曜日にカブスと契約した。レッドソックスがこのオフを成功させるにはどうすればいいのか?」と、今オフの計画が大いに狂ったことを伝えている。

 複数球団による争奪戦の末、カブスへの入団を決めた鈴木だが、メジャーでの評価はこれからとなる。2月15日付の米分析サイト『ファングラフス』の記事によれば、2022年の鈴木のスラッシュライン(打率/出塁率/長打率)は、.287/.351/.480とされ、152安打、23本塁打、85打点を残すと予測されている。

 カブスは、ナ・リーグの中地区に所属し、ほかの地区に比べて投手のスピードが遅いと言われている。昨季前半に打撃不振で苦しんだ筒香嘉智も、カブスと同じ中地区のパイレーツに移籍すると、終盤に8本塁打を放って話題となったのは記憶に新しい。一方、同じ中地区のレッズに所属する秋山翔吾は、メジャーでの2年間は苦しんでいる。現地では、鈴木は彼らと比較されることも多いが、今後どれだけメジャーにアジャストできるかに注目が集まる。

 しかも、新労使協定の影響でキャンプは短縮され、オープン戦もわずか19試合となっているため、鈴木には試練の日々が待っている。もっとも、鈴木はキャンプ合流初日の18日に行なったフリー打撃で、130mを超える特大弾を含む9本(26本中)の柵越えを披露しており、期待度は相変わらず高いままだ。

 再開後のメジャーリーグは、目まぐるしく日々が過ぎている。今年はシーズンに向けた調整を短期間に行なわなければならないのが、これまでとは違うところだ。所属球団が変わった菊池やメジャー1年目の鈴木は、開幕までにどれだけの成果を見せられるのか。開幕戦まで残り1カ月弱、彼らの活躍に期待したい。

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