大谷翔平、今季が二刀流のラストチャンスか。現地記者が語る年俸とその評価 (3ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by Kyodo News

 もし、聴聞会で双方の議論がヒートアップすれば、球団と大谷との間に溝ができる、という懸念の声も上がっている。だが、フレッチャー記者は「聴聞会でこじれ、大谷がエンゼルスを去るといったことはないです」と、キッパリ否定。同記者によれば、「エンゼルスは過去に、聴聞会まで持ち越された投手と後に複数年の契約延長を結んでいる」と言い、「あくまでMLBシステムの一環にすぎないのは双方とも理解しています」と説明。また、「年俸は290万ドル(約3億円)前後で落ちつくのでは」と見解を述べた。

 今季の年俸は2月の年俸調停委員会で決まるだろうが、大谷の年俸調停権はFA権取得まで続くため、毎年のように議論を巻き起こす可能性もある。その前に長期契約が結べれば今回だけで済むのだが、大谷がエンゼルスと長期契約を結べるかはまた別の話だ。

 フレッチャー記者も「彼が再びハイレベルなプレーをみせてすばらしい成績を残さない限り、球団は複数年契約を提示しないでしょう」と指摘。「もちろん、今季の成績がよければ、球団も複数年契約を検討することもありえる」とフォローを入れるが、その時、大谷が二刀流の選手のままでいられるかはわからない。

「大谷にとって今季は、二刀流としては最後のチャンスになるのではないでしょうか。うまくいかなかった場合、球団は大谷を野手に転向させ、打者一本に専念させると思います」という同記者の証言から、大谷が厳しい立場に置かれている様子が伺える。2021年は大谷の挑戦の答えが出る年になるかもしれない。

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