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人種差別問題でジーターも熱弁。MLBはロビンソンの心を引き継げるか (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 そんな言葉どおり、ヤジがあまりにも悪質なため、ハンターは自身の契約にボストンへのトレード拒否権を盛り込んでいたのだという。この衝撃的な発言を受け、レッドソックスも目を背けてはいなかった。6月10日、本拠地のフェンウェイパークには人種差別が存在することを認め、「ハンターの経験は本当です。声を上げてくれたすべての人に感謝します」と声明を発表したのだった。

 フェンウェイではアダム・ジョーンズも2017年に人種差別的なヤジを浴び、ピーナッツの袋を投げつけられたことがあった。こういった差別はボストンに限った話ではなく、程度の差こそあれ、多くのマイノリティがさまざまな街で経験していることなのだろう。もちろんすべての街で日常的に起こっていると断定すべきではないが、ボストンだけに限定して考えるのはナイーブ過ぎる。

「高校、大学、プロと進む過程で、選手、コーチともに(黒人の)数が少なかったから、自分がまるで孤島にいるかのように感じた」

 6月16日、「MLB TV」の特別番組に出演したダイアモンドバックスの黒人投手、ジョン・ドゥプランティアの言葉にも重要な意味があるはずだ。

 近年のアメリカにおいて、黒人の野球人口の減少が問題視されているのは周知の事実だ。絶対数が少なければ、必然的に声を上げる選手も少なくなる。おかげで人種差別への抗議の声も、黒人の数が多いNBAやNFLと比べると、なかなか響かなくなっていたのではないか。

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