2020.06.25

人種差別問題でジーターも熱弁。MLBはロビンソンの心を引き継げるか

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 現在のアメリカで最大の話題は、人種差別問題である。5月下旬、46歳の黒人男性ジョージ・フロイド氏が白人警官に殺された事件に端を発し、以降は全米で抗議活動が行なわれ、社会問題になっている。新型コロナウイルスへの懸念すらも一時的に吹き飛ばしてしまった感がある。
近代メジャーリーグで初の黒人選手となったジャッキー・ロビンソン“Black lives matter” (黒人の命は大切だ)を合言葉にしたムーブメントはスポーツ界にも広がり、すでに多くのチーム、選手、関係者が発言し、声明を発表してきた。同じメジャースポーツのNBAほど積極的ではないもののMLBの選手、関係者も例外ではない。

 昨季までヤンキースでプレーしたCC・サバシアは、ニューヨークで行なわれたデモに4人の子どもたちとともに参加したことを明かしている。現役時代からリーダーシップに定評があったサバシアは、6月15日にはツイッター上に55秒間のビデオメッセージを投稿。このビデオではアーロン・ジャッジ、ジャンカルロ・スタントン(ともにヤンキース)、デビッド・プライス(ドジャース)、今季からオリックスでプレーするアダム・ジョーンズといった著名選手が”Black lives matter”を呼びかけており、現地でも大きな話題になった。

 奴隷解放記念日だった19日には、元ヤンキースのスーパースターで、現在はマーリンズのCEOを務めるデレク・ジーターが「MLB TV」に出演。黒人の父親、白人の母親をもつジーターは、特別番組の中で「今こそ人種差別を終わらせる時だ。何かを変えなければいけない」と熱くメッセージを送った。

 その他、リーグ屈指の左腕クレイトン・カーショーもツイッター上で「黒人の仲間のために声をあげることから始めよう」と訴えている。全米を震撼させているムーブメントは、MLBにも確実に広がりを見せているように思える。