大谷翔平はベーブ・ルースになれるか。メジャー史に見る二刀流の苦難
メジャーリーグ機構と日本野球機構、そしてメジャーリーグ選手会による新ポスティングシステム交渉が合意に達し、いよいよ日本ハム・大谷翔平選手のメジャー挑戦が本格的に動き始めました。
メジャー挑戦を表明した大谷翔平はどこのチームを選ぶのか はたして、大谷投手はどのメジャーチームのユニフォームを着るのか――。今オフはその話題で持ちきりですが、それと同じく注目されているのは、「大谷選手はメジャーでも二刀流を貫くことができるのか?」という点です。過去の歴史を振り返ってみると、ピッチャーとしてもバッターとしても能力に秀でた選手が幾人もメジャーの世界に飛び込んできました。
ドラフト制度が始まった1965年以降、「二刀流プレーヤー」としてもっとも全米の注目を集めたのは、1970年代前半から1990年半ばにかけて活躍したデーブ・ウィンフィールドです。幼少期から抜群の運動神経だったウィンフィールドは、ミネソタ大学でピッチャー兼外野手としてプレーしていました。
1973年にはカレッジ・ワールドシリーズ(大学野球選手権)に出場。ピッチャーとして登板した初戦では14奪三振の完封勝利を記録し、さらに準決勝でも15奪三振という快投を演じました。そして、打ってはシリーズ4試合で打率.467・1本塁打。投打にわたってすばらしい成績を残しています。
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プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)