大谷翔平はベーブ・ルースになれるか。
メジャー史に見る二刀流の苦難 (7ページ目)
マッケイは大学1年から3年まで、3年連続でジョン・オルルド賞を受賞。ジョン・オルルド賞というのは全米大学野球界の「最優秀二刀流プレーヤー」に贈られる賞で、大学3年のときはゴールデンスパイク賞(大学球界MVP)も受賞しています。カレッジフットボールでいえばハイズマン賞のようなものなので、つまりマッケイは大学球界ナンバー1という鳴り物入りでプロ入りしたのです。
その後、マイナーのシングルAでデビューしたマッケイは、ピッチャーとして6試合に先発して1勝0敗・防御率1.80をマーク。バッティングでは36試合に出場し、打率.232・4本塁打・22打点という成績を残しました。マッケイは来シーズンも二刀流に挑戦する予定です。
他にも今年、サンディエゴ・パドレスのクリスチャン・ベタンコートというパナマ出身の26歳がピッチャー兼キャッチャーとして開幕メジャー入りを果たしました。しかしその後、ベタンコートはピッチャーに専念すると宣言。メジャーの世界で投打ともに結果を残していくのは、かなりの至難の業なのでしょう。
今は大谷選手の登場により、メジャーでも二刀流というスタイルに寛容になっているように見えますが、結果を出せないと、それをずっと貫くのは難しいかもしれません。しかしながら、メジャーという最高峰での挑戦であるからこそ、これだけアメリカでも大きな話題となっているのです。大谷選手がどのチームを選び、どんなプレーを見せてくれるのか。来シーズンは全米中が彼の一挙手一投足に注目することになると思います。
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著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)
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