ついにマエケンも失点。救援陣ガス欠の
ドジャースは息を吹き返せるか

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 ワールドシリーズ史に残る5時間17分の死闘――。現地時間の10 月29日、ヒューストンで行なわれたシリーズ第5戦を制したのはアストロズだった。

 ドジャースのクレイトン・カーショウ、アストロズのダラス・ カイケルという、両エース左腕が先発したこのゲーム。勝ったチームが世界一に王手をかける大事な一戦は、ロースコアでの接戦が必至と思われていた。しかし蓋を開けてみれば、先発投手が揃って5回をもたずに降板し、両チーム合計で7本塁打を含む28安打が飛び交う乱打戦となった。

5回裏、アルトゥーベに同点3ランを打たれた前田5回裏、アルトゥーベに同点3ランを打たれた前田 アストロズが4回裏の0-4、5回裏の4-7から2度にわたって同点にすれば、ドジャースも9-12で迎えた9回表に追いつく粘りを見せる。 いわゆる"ノーガードの打ち合い"に決着がついたのは10回裏。アストロズのアレックス・ブレグマンが、ドジャースの守護神ケンリー・ジャンセンから適時打を放ち、ジェットコースターに乗っているようなシーソーゲームは13-12で幕を閉じた。

 試合後、敗れたドジャースのデイブ・ロバーツ監督は「2つのベストチームが優勝を争っているんだ。私たちも最後のアウトまで戦い続けたし、選手たちを評価したい。これぞワールドシリーズだ」と、選手たちの健闘を讃えた。

 この試合の粘りを見て、「まだ巻き返せる」と感じたドジャースファンは多いだろう。しかし、この1敗には「単にエースを立てて負けた」だけではない大きな意味があったように思える。大荒れの乱打戦となった第5戦では、ドジャースのブルペンを支えてきた3投手が揃って痛打されたからだ。

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