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MLBディビジョンシリーズ展望。
田中将大の登板に2つの不安要素 (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 その快進撃を支えたのが、今季メジャー最強と評される強力打線です。打率(.282)・得点(896)・二塁打(346)・OPS(出塁率+長打率/.823)......どれもメジャー1位を記録しました。そしてもっとも驚くべき数字は、メジャー2位の238本塁打だったのに対し、三振数がメジャー最少の1087個だったということ。ホームランの多いチームは三振も多いのですが、アストロズはこの通例に当てはまりません。

 全員がレベルの高いバッティング技術を誇るアストロズ打撃陣のなかで、そのスタイルをもっとも象徴しているのがホセ・アルトゥーベ(打率.346・24本塁打・81打点)でしょう。今季は過去4年間で3度目の首位打者を獲得し、4年連続でシーズン200安打も達成しました。

 さらにアルトゥーベの成績で特筆したいのは、ゲーム終盤の7回以降や、ツーアウトという状況での打率が際立っている点です。7回以降は打率.361、ツーアウトでは打率.342。今シリーズでもアルトゥーベの存在がレッドソックスにとって脅威となるのは間違いありません。

 レッドソックスがアストロズ相手に打ち勝つのは難しいので、投手陣がどれだけ踏ん張れるかがカギとなるでしょう。レッドソックスにとっての強みは、接戦に強い点です。今季は3点差以上の逆転勝ちが14試合、そして延長戦では15勝3敗という高い勝率を残しています。アストロズが打線爆発で大量得点を奪うか、それともレッドソックスが自慢の投手陣で接戦に持ち込むか、実に楽しみなカードです。

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