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負け数が先行でも、上位球団が
ダルビッシュを緊急補強したがるわけ (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 ア・リーグ先発投手のWARを見てみると、1位はカンザスシティ・ロイヤルズのジェイソン・バルガス。オールスターまでにリーグ最多の12勝を挙げ、防御率2.62もリーグ1位でした。2位はボストン・レッドソックスのクリス・セール。前半戦だけでリーグトップとなる178奪三振を記録し、今年のオールスターでは昨年に続いて先発投手を務めました。

 そして3位に食い込んだのが、ダルビッシュ投手です。前半戦の投手3冠を占めた両投手に次ぐWARを記録しているので、ダルビッシュの評価はア・リーグの先発投手全体で上から3番目と言っても過言ではないでしょう。

 今シーズンは右ひじのトミー・ジョン手術から復帰してフルシーズン1年目。好投が勝敗に結びつかない試合が続いていますが、アメリカでは勝ち星だけですべてを評価することはありません。レンジャーズのGMはトレードを否定していますが、ア・リーグ西地区4位(47勝50敗)というチーム状況なだけに、他球団との交渉が一気に加速する可能性は十分にあります。

 7月22日現在、ダルビッシュ投手は21試合に先発し、そのうち15試合でクオリティスタートを記録。ア・リーグ最下位のチーム打率.236と奮わないレンジャーズ打線を背負いながら、常に安定したピッチングを続けるエース右腕の去就にも注目です。

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