かつては松井秀喜も。MLBに見る「2番スラッガー起用」の歴史 (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 次に思い出すのは、2001年のセントルイス・カージナルス。名将トニー・ラルーサは、1998年にホームラン70本を打ったマーク・マグワイアを6試合ほど2番バッターとして起用しました。この狙いは、マグワイアを少しでも多く打席に立たせてホームランを量産してもらうためです。

 同時にラルーサ監督はこのとき、ピッチャーを8番に据えて9番に野手を入れるラインナップも試していました。ひとりでも多くのランナーをマグワイアの前に溜めておこう、という考えなのでしょう。マグワイアの2番起用は名将らしいアグレッシブな采配だったと思います。

 また、2004年にはニューヨーク・ヤンキースがふたりの強打者を2番に起用したこともありました。まずひとりは、前年度に5番を打っていた松井秀喜選手です。彼を日本での開幕戦で2番に起用したときは、ちょっとした話題となりました。この起用は、松井選手を少しでも多く打席に立たせて日本のファンに喜んでもらおうという意図もあったと思います。

 そしてもうひとりは、当時テキサス・レンジャーズから移籍1年目のA・ロッドです。この例はマリナーズ時代と同様にスランプから脱出させるためでした。ちなみに、2番バッターとしてA・ロッドは24試合で打率.301をマークし、見事に打撃不振から立ち直っています。

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