WBC初優勝を狙う米国、プエルトリコが絶好調で侍ジャパンを迎え撃つ (3ページ目)
一方、2次ラウンドでアメリカやドミニカ共和国を倒し、グループ1位で決勝ラウンド進出を決めたプエルトリコは絶好調を保っている。1次ラウンドから通算6戦6勝。前回大会で準優勝を果たしたタレント集団は、今大会の「ファイナルフォー」の中でも優勝候補の本命と言っていいだろう。
中心となるのは、23歳のフランシスコ・リンドー(5戦で18打数7安打2本塁打)、22歳のカルロス・コレア(6戦で16打数6安打2本塁打)、24歳のハビアー・バエス(5戦で20打数6安打1本塁打)という「若きダイナミックトリオ」だ。彼らは攻守で魅力的なプレーを見せ、プエルトリカン・ベースボールの新時代到来を印象づけている。
「WBCは最高の大会。(第1回で)僕がバーニー・ウィリアムスと一緒にプレーするという夢を叶えたように、母国の後輩たちに伝統を引き継いでいきたいんだ」
メジャーリーグの昨シーズン中、カルロス・ベルトランがそう言って目を輝かせていたのが思い出される。そのベルトラン(5戦で17打数8安打)や、ヤディーヤ・モリーナ(4戦で17打数6安打2本塁打)といった重鎮も優れた数字を残してきた。ヤングスターとベテランが噛み合ったプエルトリコは、ほぼ理想に近い形で決勝ラウンドに臨んでくる。
先発投手陣は駒不足だけに、序盤イニングに依然として不安が残るのは事実。ただ、準決勝で対戦するオランダの投手陣も迫力に欠けるだけに、再び打線が爆発する可能性も高い。そうなれば、2大会連続の決勝進出が現実味を帯びる。ここでついにWBCの頂点に立てば、ベルトランの願い通り、プエルトリコに新たな伝統が生まれることになる。
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