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イチローも喜ぶ。マーリンズ入り田澤純一に
年俸7億円の価値はあるか (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 そんな多彩なリリーフ陣において、田澤投手の武器は何か――。まずひとつは、コントロールが挙げられます。田澤投手はメジャー通算312イニングを投げて、与えたフォアボールは71個。これを9イニングに換算すると、平均2.05個という非常に少ない数値を残しています。

 実は近年、マーリンズのリリーフ投手陣はコントロールに問題を抱えているのです。今シーズンは合計262個のフォアボールを与え、これはメジャーで2番目に多い数字でした。そのような背景があったからこそ、田澤投手を積極的に獲得しようと動いたのだと思います。

 そしてもうひとつは、左打者に強いという点でしょう。田澤投手は右投げですが、左打者のほうが対戦成績はいいのです。今シーズンも右打者の被打率が.273に対し、左打者の被打率は.207。実に7分ほどの大きな差があります。

 現在、マーリンズは新加入したピッチャーも含めて、主要なリリーフ投手は右投げばかり。今シーズンの40人のロースターを見ても、左投げのリリーフ投手は今年デビューしたハンター・サーベンカただひとり。左打者と対峙するとき、それに対抗できる実績のあるピッチャーが少ないのです。

 そのような状況を踏まえると、左腕の補強が今後なければ、田澤投手は非常に重要な役割を担うことになります。ナ・リーグ東地区にはワシントン・ナショナルズのブライス・ハーパーをはじめ、ニューヨーク・メッツのカーティス・グランダーソンやジェイ・ブルースなど、メジャー屈指の左打者が揃っています。ライバル球団の主軸を抑えるために、田澤投手の存在はより大きくなるでしょう。

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