イチローも喜ぶ。マーリンズ入り田澤純一に年俸7億円の価値はあるか

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 ボストン・レッドソックスからFAとなっていた田澤純一投手がマイアミ・マーリンズと2年総額1200万ドル(約14億円)で契約に合意しました。これにより2017年シーズン、田澤投手とイチロー選手はチームメイトとして一緒にプレーします。今回の移籍にはイチロー選手の後押しもあったと報じられていますが、なぜマーリンズが田澤投手を必要としたのか、その背景を紹介したいと思います。

8年間在籍したレッドソックスを離れ、マーリンズに移籍した田澤純一8年間在籍したレッドソックスを離れ、マーリンズに移籍した田澤純一 2016年、マーリンズにとって最大の衝撃は、やはりホセ・フェルナンデスのボート事故死でしょう。9月25日、フェルナンデスは友人たちとボートに乗り、マイアミ沖で帰らぬ人となってしまいました。球界を代表する絶対的エースを失った穴は、そう簡単には埋まりません。そのためマーリンズは今オフ、先発投手陣の補強がなによりの急務となったのです。

 まずは12月1日、カンザスシティ・ロイヤルズからFAとなったエディンソン・ボルケスと2年総額2200万ドル(約25億8000万円)で契約しました。彼は2015年にロイヤルズが世界一となったときの先発右腕で、過去5年間で56勝を挙げているエース格です。さらに12月12日には、ピッツバーグ・パイレーツからFAとなった先発左腕のジェフ・ロックも獲得。これでフェルナンデスの穴が埋まったとは言えませんが、まずはふたりの先発投手を確保しました。

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プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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