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イチローも喜ぶ。マーリンズ入り田澤純一に
年俸7億円の価値はあるか (5ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 また、田澤投手にとってマーリンズというチームは、とてもメリットの多い球団だと思います。まず、強力なスラッガーを擁するチームばかりのア・リーグ東地区から、DH制のないナ・リーグに移ったことで、ピッチャーにかかるプレッシャーは大きく軽減されることでしょう。マーリンズのマイケル・ヒル編成本部長も、「最大の激戦区であるア・リーグ東地区で投げてきたという実績は大きい。多彩なレパートリーの球種でアウトを取ってきた」と、レッドソックス時代の実績と経験を高く評価しています。

 そしてもうひとつは、本拠地球場がボストンのフェンウェイ・パークからマイアミのマーリンズ・パークへと移ることです。球場の偏りを表す指標となっている「パークファクター」によると、今年のフェンウェイ・パークのヒット指標は1.161で、これはメジャー30球場中で2番目に多い数字でした。対して、マーリンズ・パークのヒット指標は0.868で、これはメジャー30球場でもっとも低い数字だったのです。1.000が平均値を表しているので、ふたつの球場にかなりの差があるのがわかります。

 メジャー有数のヒッターズパーク(フェンウェイ・パーク)からピッチャーズパーク(マーリンズ・パーク)に本拠地が変わったことで、田澤投手はさらに飛躍できるのではないでしょうか。また、気候もボストンの寒さとは対照的に温暖な土地なので、マーリンズはピッチャーにとって天国。田澤投手にとってさらに活躍できそうな移籍なので、年俸600万ドル(約7億円)の価値は十分にあると思います。チームの貴重なセットアッパーとして、イチロー選手とともにマーリンズの勝利に貢献してくれることでしょう。

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著者プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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