ダルビッシュの新女房役獲得で
レンジャーズがリーグ優勝最有力 (4ページ目)
そんな折、DH向きのベルトランを手に入れることができたのです。不振のヤンキースにおいて、ベルトランはひとりで気を吐く活躍を見せ、特に6月17日以降の夏場でア・リーグ2位の打率.356という絶好調ぶり。ベルトランはプレーオフの経験も豊富で、ポストシーズン通算打率.332を誇っています。地区優勝のみならず、ポストシーズンを見据えたうえでも、ベルトランの存在は大きいでしょう。
さらにレンジャーズは8月1日のトレード期限ぎりぎりに、ミルウォーキー・ブルワーズからジョナサン・ルクロイ(打率.298・16本塁打・54打点)というオールスター捕手と、クローザーのジェレミー・ジェフレス(2勝2敗27セーブ・防御率2.12)という右の剛腕も獲得しました。特にルクロイの加入は、レンジャーズにとって大成功と言えるのではないでしょうか。
レンジャーズは昨年、フィラデルフィア・フィリーズからヒューストン・アストロズへのトレードに対して拒否権を行使したコール・ハメルズをトレード期限最終日に獲得した経緯がありました。そして今回も、インディアンスへのトレードに拒否権を行使したルクロイを期限最終日に獲得しました。
このトレードにより、エースのダルビッシュ投手とバッテリーを組むキャッチャーもルクロイが務めることになるので、日本人ファンにとっても注目でしょう。トレード期限が過ぎて、ア・リーグでもっとも補強で成功したチームはレンジャーズではないでしょうか。5年ぶり3回目のリーグ優勝に向けて、レンジャーズの後半戦がますます楽しみです。
※数字は8月6日現在
著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)
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