メジャーで絶好調、マエケンに襲いかかる
5人の要注意バッター (6ページ目)
彼を取り上げた理由は、メジャーナンバー1の「ローボールヒッター」だからです。近年のメジャーは高めの剛速球がウリのピッチャーとともに、低めに落ちる変化球で勝負するピッチャーも増えています。特に日本人投手はコントロールを武器にそういうスタイルが多く、前田投手もスライダーやカーブなど多彩な変化球を使い分けながら、低めの球で相手を打ち取っています。
ところがトラウトは、そのローボールにめっぽう強く、低めの球を驚異的なパワーで打ち返してくるのです。2014年のデータによると、ストライクゾーンを上下三等分にしたときの下3分の1、ローボールに対しての長打率は.696。これはメジャー全体でダントツ1位の数字でした。前田投手がどうやってトラウトを抑え込もうとするのか、今後の対戦が楽しみです。
前田投手にとってメジャー生活は始まったばかり。これから多くの一流バッターと対決していくことでしょう。どんなピッチングを披露してくれるのか、見守り続けたいと思います。
著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)
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