2014年オールスター。ダルビッシュの「奪三振ショー」に注目! (3ページ目)
そして最後、今年のオールスターで欠かせない人物といえば、今シーズン限りで引退するデレク・ジーターでしょう。我々日本人はダルビッシュ投手や上原投手に注目しがちですが、アメリカ的に見れば、今年は何と言っても、「ジーターのオールスター」です。最後のオールスターでの勇姿を見るために、ミネアポリスまで駆けつけるファンも大勢いると思います。
ジーターは今回で通算14回目の選出です。大舞台に強く、オールスター通算打率.440を誇り、2000年には史上初となるオールスター&ワールドシリーズのダブルMVPを成し遂げました。生粋のお祭り男がどんなフィナーレを飾るのか、ジーターのプレイを目に焼き付けたいと思います。
そのオールスターのMVPで、ひとつ面白いデータがあります。メジャーの歴史を紐(ひも)解くと、オールスターゲームでMVPを受賞するのは、派手なアピールのできるバッターが圧倒的に有利です。過去にピッチャーでその栄誉に輝いたのは、1962年にMVPが制定されて以来、7人しかいません。そんな少数の中、ミネアポリスでの開催では過去2回ともピッチャーが受賞しているのです。1965年はサンフランシスコ・ジャイアンツのエースだったフアン・マリシャルが先発して3回を無失点で切り抜けて受賞、そして1985年はサンディエゴ・パドレスのラマー・ホイトが3回1失点でMVPとなりました。
舞台となるターゲット・フィールドは外野が広く、ホームランの出にくいスタジアムです。投手有利な球場なので、脚光を浴びるのはバッターではなく、ピッチャーかもしれません。となると、ダルビッシュ投手の活躍次第では、オールスターMVPもあるのではないかと思っています。今回のオールスターゲームは、そんな想像も膨らせてみてはいかがでしょうか?
著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)
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