2014.07.15

田中将大の右ヒジはなぜ壊れたのか?

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • photo by Getty Images

 47勝47敗。ヤンキースは前半戦を終え、首位オリオールズとは5ゲーム差の3位。68試合を残すとは言え、逆転優勝はかなり厳しい数字となった。

現地7月8日のインディアンスの試合後、右ヒジの異変を訴えた田中将大。

 さらに、獅子奮迅の活躍でチームを牽引し、12勝4敗と8つの貯金をもたらした田中将大の復帰は最短でも8月末になるという。ブライアン・キャッシュマンGMは「先発投手の補強に全力を尽くす」と語っているが、ヤンキースが持っている手駒で他球団をくすぐる若手の有望株はいない。

ブルペンで田中同様にチームを支えたダレン・ベタンセスを放出しない限り、大物先発投手の補強は現実味を帯びてこない。今年で契約最終年となるキャッシュマンGMは、7月31日のトレードのデッドラインまでにどんな手を打ってくるのだろうか。興味は尽きない。

 さて、6月17日に配信した記事(若い投手に「トミー・ジョン手術」急増中の謎)でも触れたが、いまもメジャーではトミー・ジョン手術を受ける投手があとを絶たない。幸いにも田中は、今回は手術の必要はなかったが、あくまでも「現状では」という枕詞がついてくるのも事実。田中の右ヒジ靱帯には、入団前のメディカルチェックでは確認されなかった損傷が新たに見つかった。その傷は、靱帯の10%未満とごく小さな傷だというのだが、「リハビリ治療の状況次第では今季中の手術もあり得る」とキャッシュマンGMは言う。

「田中にはできる限り、エキストラレスト(余分な休養)を与えたい」と常日頃から語ってきたヤンキースのラリー・ロスチャイルド投手コーチは、その通りの起用を続けてきたが、田中の長期離脱に「悪夢のようだ」と頭を抱えた。