2014.07.19

ヤンキース傘下・加藤豪将が胸に刻むイチローからの金言

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • photo by Getty Images

 加藤豪将(かとう・ごうすけ/内野手/右投左打)は、喜びを隠しきれずにいた。

 昨年、ヤンキースからドラフト2位(全体66位)で指名された加藤は、今年のキャンプでカルロス・ベルトランが開く食事会に招かれた。通算2200本安打以上を記録している大ベテランと交流を持てるということは、信じられないぐらい大きな出来事だった。

マイナーリーグのチャールストン・リバードッグスでプレイしている加藤豪将。

 だが、19歳の加藤にとって、実績あるヤンキースのベテラン選手との交流は、じつはこれが初めてのことではなかった。しかもそれは、本当に夢のような時間だった。

 昨年末、加藤は幼少の頃から憧れだったイチローのオフの練習に参加するため、神戸まで旅立っていたのだった。

「ある知人を介してイチローさんに聞いていただきました。そうしましたら、『もし神戸に来る機会があれば、練習に参加してもいいよ』と言っていただいたんです。イチローさんと一緒に練習できるなんて、夢にも思わなかったですから......」

 アメリカ生まれの加藤は、父の仕事の都合で3歳から3年間は横浜に住み、また親戚を訪ねに東京、新潟には行ったことがあったが、神戸はもとより関西は初めてだった。

「電話でも、メールでもいいから、質問させていただければ最高に嬉しいと思っていました。でもイチローさんは『実際に見てみないと、技術的なアドバイスは話せないから』と。私にとってイチローさんは大スターですから。何がなんでも神戸に行かなきゃいけないと思いました」

 そして加藤はおどけてこう話した。

「イチローさんは、私が神戸に行った理由が、イチローさんと練習をともにすることだけだということを知らないと思います。でも、それが私にとって唯一の用事だったのです。イチローさんの言葉を聞いた瞬間から、『よし、神戸に行こう』と決めました」