ムネリンも参戦?今年のプレイオフは「日本人祭り」の予感! (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by AFLO

 もちろん、アスレチックスもプレイオフを狙える位置に迫ると思いますが、残念ながら中島選手がメジャーに昇格する可能性は低そうです。内野陣の選手層が厚いため、プレイオフに出場できても中島選手の出番はないかもしれません。それより、プレイオフの舞台に立つ可能性が高いのは、マリナーズの岩隈投手でしょう。スタートダッシュは失敗しましたが、岩隈投手が復帰してさっそく今季初勝利を挙げたので、今後はフェリックス・ヘルナンデスとの2枚看板で勝ち星を増やしてくれるはずです。また、ジェームズ・パクソンという期待の若手先発ピッチャーもようやくケガから帰ってきます。西地区の優勝争いに食い込むのは厳しいかもしれませんが、先発投手陣が揃えばワイルドカード争いに参戦してくる可能性は十分にあります。

 そして今年は、青木宣親選手の所属する中地区のカンザスシティ・ロイヤルズの存在も見逃せません。ア・リーグ最大の「台風の目」と言われているので、1985年以来29年ぶりとなるプレイオフ進出も夢ではないでしょう。ロイヤルズはリーグ屈指の投手陣を擁しているので、プレイオフ進出のカギを握るのは得点力だと思います。青木選手が得点した試合は11勝1敗と高い勝率を残しているので、リードオフマン(青木)の活躍次第で、プレイオフへの扉はグッと近づいてくるでしょう。

 東地区(ヤンキース、レッドソックス、ブルージェイズ)、中地区(ロイヤルズ)、西地区(レンジャーズ、マリナーズ、アスレチックス)……、日本人選手の所属するア・リーグのチームは、どの地区でもプレイオフ枠に絡みそうな勢いです。これらのチームが地区優勝、もしくは高い勝率で地区2位になれば、ア・リーグのプレイオフはまさに空前絶後の「日本人祭り」となるでしょう。どんな対戦カードになるのか、想像するだけで胸が高まります。

 ア・リーグが日本人祭りになるのなら、せめてナ・リーグからは松坂大輔投手の所属するニューヨーク・メッツがプレイオフに絡んで欲しいものです。藤川球児投手が復帰を目指しているシカゴ・カブスはナ・リーグ中地区4位(11勝17敗)と、戦力的に厳しいものがあります。一方、東地区で3位(16勝14敗)と奮闘しているメッツは2006年を最後に7年間もプレイオフから遠ざかっているので、ぜひとも「ミラクル・メッツ」の再来に期待したいと思います。

 レギュラーシーズンは長いので、今後どんな展開になるか分かりませんが、多くの日本人がプレイオフの舞台を当たり前のように目指す日が来るとは、20年ほど前は考えられませんでした。今シーズンの勢力図を見て、改めてメジャーリーグにおける日本人選手の評価の高さを実感します。いまやプレイオフ進出に日本人選手の存在は欠かせないものになったのではないでしょうか。多くの日本人がプレイオフで競い合って、ワールドチャンピオンに輝くシーンを今から楽しみにしています。

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