【WBC】「史上最強」の呼び声高いドミニカ打線に気をつけろ! (2ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by AFLO

 この豪華打撃陣で、『マルちゃん』がキーマンに挙げるのは3人だ。

「ラミレス、レイエス、カノ......。挙げればキリがないけどね。だから今回こそ、勝たなければいけないんだ!」

 優勝候補同士の激突となった第1ラウンド初戦のベネズエラ戦では、『マルちゃん』の予想が見事に的中した。1番のレイエスが4安打でチームを勢いづけると、3番のカノは初回の2点タイムリー二塁打を含む3安打3打点。5対0から2点差に迫られた5回には、ラミレスがレフトスタンドに豪快な一発を放って流れを引き戻した。結局、13安打と打線が爆発し、9対3で快勝。続くスペイン戦でも6点を奪って快勝し、早々に第2ラウンド進出を決めた。

 一方、不安要素に挙げられるのが投手陣だ。陣容を見ると、先発は昨季サンディエゴ・パドレスで11勝のエディンソン・ボルケス、2009年から4年連続でふたケタ勝利をマークしているワンディ・ロドリゲス(ピッツバーグ・パイレーツ)が中心。ブルペンは昨季48セーブで最優秀救援投手賞に輝いたフェルナンド・ロドニー(タンパベイ・レイズ)、昨季サンフランシスコ・ジャイアンツで73試合に登板してワールドシリーズ制覇に貢献したサンティアゴ・カシーヤ、メジャー13球団を渡り歩いているオクタビオ・ドーテル(デトロイト・タイガース)ら経験豊富な投手が支える。ただ、大会直前、過去3度セーブ王に輝いたホセ・バルベルデ(前タイガース)が離脱したこともあり、駒不足の印象は拭えない。悲願の初優勝には、強力打線で投手陣をカバーする展開が欠かせないだろう。

 そしてもうひとつのポイントになるのが、ドミニカ人に最も欠けているもの――規律だ。『マルちゃん』がドミニカ人のメンタルをこう説明する。

「ドミニカ人はいろいろなことを考えがちで、誘惑に弱いんだよ。だからもっと、野球に集中しなければいけない。ドミニカの女性やビーチの誘惑に打ち勝つのは、簡単なことではないけどね(笑)」

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