【MLB】崖っぷちのヤンキース。ジーター不在で試される「ピンストライプ」の誇り

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • ロイター/アフロ●写真 photo by REUTERS/AFLO

タイガースとのリーグチャンピオンシップ第1戦で左足首を骨折したジータータイガースとのリーグチャンピオンシップ第1戦で左足首を骨折したジーター 言うまでもなくヤンキースはデレク・ジーターのチームだ。その絶対的な存在感を誇る主将が、タイガースとのリーグ優勝決定シリーズ第1戦で左足首を骨折した。全治3カ月の診断が下され、今季絶望となった。

「ワールドシリーズ制覇こそ唯一無二の目標」と語るリーダーの離脱にヤンキースナインは動揺を隠せず、イチローも「言葉が見当たらない」と語るのが精一杯だった。

 第1戦の延長12回、ジョニー・ペラルタの放った二塁ベース寄りの打球にジーターが飛びついた。その際に右足首を痛めたのだが、どう見ても骨折に結びつくようなプレイには見えなかった。どうしてジーターの左足首は、この程度のプレイで悲鳴を上げてしまったのだろうか。

 現地時間10月10日、オリオールズとの地区シリーズ第3戦でのこと。ジーターは2度にわたり左足に自打球を当てた。左足を引きずりながらプレイする姿は、自打球の影響のようにも見えた。そして痛みに耐えかね9回の守りから退き、翌日はDHで出場した。骨折もその影響なのか。いや、そうではない。

 レギュラーシーズンが佳境に入った9月。ジーターが左足を引きずりながらプレイするシーンが極端に増えた。9月12日のレッドソックス戦では、8回に一塁へ駆け込んだ際に左足首を痛め途中退場。ジョー・ジラルディ監督はこう説明した。

「彼の左足首はボーン・ルーズ。長い間、毎日プレイしてきた代償。だが、本人は明日もプレイできると言っている」
 
 その言葉通り、ジーターは翌日DHで出場した。

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