【大学野球】捕手で身長167センチはハンデか武器か 明治大・福原聖矢が挑むドラフト戦線「あきらめる時は、野球をやめる時」 (3ページ目)
合宿中、福原はこんな実感を漏らしていた。
「みんなバッティングは自分より上だと思いました。でも、自分は俊敏な動きとスローイング、嫌らしい打撃と、持ち味をアピールしていくしかないです」
紅白戦で華々しくアピールしたのは、本塁打を放った前嶋と、3安打をマークした西野だ。井上も2安打に加え、滞空時間の長いフライを放つなどインパクトを残した。一方で福原は6打席に立ち、1安打1四球。林純司(慶應義塾大)の二盗を阻止するシーンもあったが、ほかの捕手と比べると地味な活躍ぶりだった。
【いろんなタイプが生きるのが野球の面白さ】
合宿後に発表された大学日本代表28人のメンバーのなかに、福原の名前はなかった。発表前、福原は「もし選ばれなかったとしても」と前置きして、こんな感想を語っている。
「自分にとって刺激的で、今後の分岐点になるような経験ができました。これから、あのレベルのキャッチャーたちに勝てるようなアピールをしていきたいです」
ドラフト候補と言えば、体格的に恵まれたポテンシャル型の選手がもてはやされる風潮がある。そんななか、福原のような実力派の選手は「もっと自分を認めてほしい」と不満に思うこともあるのではないか。そんな話題を振ると、福原は淡々と答えた。
「自分はどちらかというと目立たない、サブキャラですから。体が大きかったり、渡部選手みたいにホームランを打てたりするほうが注目されますよね。でも、自分はいろんなタイプの選手が生きるのが、野球の面白さだと思います。メジャーリーグみたいに1番からホームランバッターが並ぶ野球になると肩身が狭いですけど、コツコツと塁に出る選手や守備力のある選手が評価される野球なら、自分も戦えると考えています」
高校時代の福原を知る者としては、身長167センチの捕手がドラフト候補に浮上するとは想像できなかった。そんな本音を伝えると、福原は自分がプロを目指す理由を語ってくれた。
「プロになるのは、小さな頃からの夢でしたから。あきらめる時は、野球をやめる時です」
いずれ「小さな名捕手」と称えられる日は来るのか。秋が深まるにつれ、スカウトの間で「福原聖矢」の名前がじわじわと大きくふくらんでいくような気がしてならない。
著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。
フォトギャラリーを見る
3 / 3














