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【夏の甲子園2026】地方大会で打率.917→甲子園では4打席凡退 鳥取城北・宮野快生の「魔法」はなぜ解けたのか (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Takahiro Kikuchi

 この試合はほかにも2本の適時二塁打が飛び出すなど、4打数4安打5打点の大暴れ。チームも12対3で快勝し、甲子園出場を決めた。

 9割超の打率を残したことについては、「終わってみて、『あ、そんなに打ってたんや』と思いました」と振り返る。自分が大仕事をしている実感はなかったという。

【母のトンカツとバットへの祈り】

 それにしても、ここまで安打が続くのは普通ではない。大会中、何かゲン担ぎでもしていたのだろうか。こちらが当てずっぽうに尋ねると、宮野は恥ずかしそうに「ふたつあります」と告白した。

「ひとつは試合前日にお母さんがつくってくれたトンカツを食べることです。もうひとつは、バットを使った儀式をやっていました」

 話が急にオカルトじみてきたが、「儀式」の内容を聞かずにはいられなかった。宮野は身ぶりを交えて再現してくれた。

「まずバットを拭いて、祈って、(両手で)バットを持つ。『明日は頼むぞ』と念じて、自分のなかで『打てる』と思ったら終わりです」

 ちなみに「母のトンカツ」は、寮で出される夕食とは別に食べていたという。宮野は「ちょっと重たかったけど、これだけは食べろと言われていたので」と苦笑する。

 鳥取大会が終わると、宮野は一躍「9割打者」と脚光を浴びた。取材も数多く受けることになった。意識すればするほど、重圧となってのしかかりかねない状況だった。

「あまり考えないようにしていました。チームメイトも気を遣ってか、(打率のことは)言ってこなくなりましたね」

 8月9日、甲子園(全国高校野球選手権大会)初戦の岡山学芸館(岡山)戦。鳥取城北・加藤重雄監督への試合前取材では、宮野に関する質問が出た。加藤監督は茶目っ気たっぷりに、こう応じている。

「(鳥取大会は)できすぎもできすぎです。打ち出の小槌でも持ってるんじゃないかと思うくらい、打ちましたからね。(エース右腕の)下浦(一心/3年)と宮野がいたから、ここにいられると思っています」

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