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【高校野球】春に151キロでドラフト戦線へ急浮上した怪腕が涙の敗退 龍谷大平安・川島謙心が乗り越えるべき壁とは (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Takahiro Kikuchi

 この日の最高球速は147キロ。川島の投球フォームはバランスよく体重移動できる長所がある一方、この日は腕の振りが一定ではなかった。右腕を縦に叩ける球もあれば、特定の球種で横振りになる球もあった。1球ごとのムラが激しく、自らの首を絞める結果となった。

 7対7と同点に追いついて迎えた8回裏には、さらにボールが暴れた。二死一塁から連続四球と2個の暴投が絡み、計3失点。この日は3回1/3を投げて被安打5、奪三振3、与四死球3、失点4(自責点2)という投球成績だった。

【気持ちが先にいってしまった】

 川口監督は試合後、川島の投球についてこう総括している。

「川島のボールが速いのでそう簡単に打たれないと思っていましたが、鳥羽の打線も粘り強くて、合わせられてしまいました」

 川島は試合後、人目をはばからずに泣き崩れた。会話するのも困難なほど涙を流す姿に、今夏に懸ける覚悟が伝わってきた。川島は嗚咽交じりに、こう漏らしている。

「(背番号)1番をつけていたのに、こんな大事な場面でふがいないピッチングをして......。悔いが残ります」

 わかさスタジアム京都のマウンドに上がった際、川島がスパイクでしきりに足場を掘り起こすシーンが印象的だった。「マウンドが合わなかったのか」と尋ねると、川島は少しの黙考を挟んでこう答えた。

「気持ち、気持ち......と前に出すぎて、フォームまで(考えが)いきませんでした。もっと冷静に、熱いところは熱くやれていれば、技術が自ずとついてきて、いつものピッチングができたのかなと思います」

 気持ちがはやるあまり、武器だったはずの技術が置き去りになってしまった。川島の言葉からは、そんな思いが滲んでいた。

 たしかに、投手としての未熟な部分や、完成度の低さは露呈してしまったかもしれない。だが、それは川島の伸びしろととらえることもできる。

 発展途上のフィジカル。大きな体を連動できる身体操作性。緩い変化球も速い変化球も操れる投球感覚。投手に専念してまだ日が浅いというキャリア......。

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