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【高校野球】選抜優勝の立役者・川本晴大離脱の激震 だからこそ負けられない大阪桐蔭の夏が始まる (4ページ目)

  • 谷上史郎●文 text by Shiro Tanigami

 幸い、大阪桐蔭はこれまで多くの経験から投手の状態を細かく見極めてきた。今回も早期に異変を察知し、大事を取った判断だったのだろう。川本が万全の状態で戻ってくることを願いたいが、大会直前の主力投手の離脱に勢いづくライバル校もあるはずだ。

 それでも、こうした苦境をチーム一丸となって乗り越えてきたのが大阪桐蔭でもある。戦力的な痛手は計り知れないが、このアクシデントによって、大阪桐蔭は春夏連覇とはまた違う、「川本がいないからこそ負けられない」という新たなテーマを背負って夏に臨むことになった。

 開会式後の取材で、表情を引き締めた主将・黒川虎雅(たいが)も、そんな思いを口にしていた。

「川本も甲子園に向けてしっかり調整してくれていると思います。だから、自分たちは大阪大会を勝ちきって、もう一度メンバー発表ができるところまで行きたいです。もちろん、戦力として痛いのは間違いありません。でも、このチームは川本頼みではない。川本がいないなら、川本抜きで勝つしかないと思っています」

 甲子園での再登録は、あくまで共に戦ってきた仲間たちの願いだ。今は川本もナインも、それぞれが目の前のことに全力を尽くすしかない。その先に、どんな結末が待っているのだろうか。大阪桐蔭の初戦は7月15日、汎愛との一戦からスタートする。

著者プロフィール

  • 谷上史朗

    谷上史朗 (たにがみ・しろう)

    1969年生まれ、大阪府出身。高校時代を長崎で過ごした元球児。イベント会社勤務を経て30歳でライターに。『野球太郎』『ホームラン』(以上、廣済堂出版)などに寄稿。著書に『マー君と7つの白球物語』(ぱる出版)、『一徹 智辯和歌山 高嶋仁甲子園最多勝監督の葛藤と決断』(インプレス)。共著に『異能の球人』(日刊スポーツ出版社)ほか多数。

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