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【大学野球】ドラフトの超目玉、立命館大・有馬伽久に起きた異変 それでもスカウトが「むしろ評価が上がった」と語る理由 (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Masahiko Abe

 翌週19日の関西学院大戦では2失点完投勝利を挙げたものの、被安打8。さらに5月4日の関西大戦でも2失点完投勝利をマークしたが7四死球と、昨秋の明治神宮大会で打者を圧倒したような快投とはほど遠い内容の投球が続いた。

 それでも有馬の評価は下がっていないと、あるスカウトの方が話してくれた。

「この春の初戦で、1イニング4失点という信じられないことが起きて、マウンドを降りたあと、『有馬はどんな様子なんだろう』と思ってベンチを見ていたんです。すると、自分から前に出てきて、チームメイトを一生懸命、励ましていたんですよ」

 その姿を見て、スカウトはすごく驚いたという。

「たぶん、ベンチ裏で落ち込んでいるか、あるいは悔しさをぶつけているか。そのどちらかだろうと思っていたんです。でも実際は違いました。もしかしたら、自分の不甲斐ないピッチングに対する懺悔だったのかもしれませんね。『すまない!』『申し訳ない!』『あとは頼む、取り返してくれ!』という気持ちだったのかもしれない。そう考えると、なんだかすごくいい光景を見せてもらったなと思いました」

 これまで「逆の光景」は何度も見てきたという。

「自分の現役時代なんて、打たれてマウンドを降ろされたら、ベンチでグラブを投げつけたり、裏で怒鳴ったりしていましたからね(笑)。最近だってありましたよね。頭に血が上って、ベンチの壁を殴って骨折したなんて話も。

 絶対的な存在になると、大事にされているというのか、チヤホヤされるじゃないですけど、そのことでちょっと勘違いするピッチャーもいないわけじゃないんです。だから、有馬くんの振る舞いを見て、立派だなと思ったんです」

【求められるFOR THE TEAMの精神】

 今のプロ野球に「オレ様」タイプの選手の居場所は、なくなりつつあると言われている。

「今は、6回以降を4人くらいの投手でつないでいくのがふつうになっています。前の投手がしっかり抑えてくれたから、その流れを自分が引き継ぐ。さらに、自分のあとには別の投手が控えている。

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