【高校野球】「ベンチ外からDHで甲子園先発へ」守れなくても打てばいい 新制度が救った2人の逆転ストーリー (4ページ目)
一塁側ベンチを出てブルペンに向かう途中、アルプススタンドから福井に向かって声援が飛んできた。昨秋に一緒にスタンドで応援していたベンチ外の部員たちである。
「あいつらが声をかけてくれたのがうれしくて、試合中に泣きそうになりました。試合前に『おまえがDHで打席に立っている姿を応援したい』と言ってくれていたんです。甲子園で1本打てなくて、あいつらに申し訳ないです」
東洋大姫路は2対3で敗れ、甲子園を去ることになった。夏に向けての思いを聞くと、福井は決然と宣言した。
「夏は絶対にここに戻ってきて、ヒットを打ちます。いや、1本と言わず、2本、3本と打ちたいですね」
甲子園の土を踏みしめ、実際に打席に立った者にしか見えない世界がある。
この試合に出場した選手は、両チーム合わせて28人。DH制度の導入によって、高校野球は確実に変わろうとしている。
著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。
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