【高校野球】「ベンチ外からDHで甲子園先発へ」守れなくても打てばいい 新制度が救った2人の逆転ストーリー (3ページ目)
6番DHで出場した東洋大姫路の福井皓大 photo by Ryuki Matsuhashiこの記事に関連する写真を見る
【練習試合の打率6割超でスタメン獲得】
一方、東洋大姫路のDHだった福井は、中森を見てこう思っていたという。
「あ、こいつも半袖や!」
東洋大姫路はベンチ入りメンバーを含め、半袖だったのは福井のみ。だが、福井は「緊張もあって、寒さは感じませんでした」と振り返る。
福井は身長175センチ、体重83キロとたくましい体躯の右打者。背番号12をつけた控え捕手でもある。
昨秋のベンチ外だった理由を尋ねると、福井は気まずそうな表情で内幕を明かした。
「授業中にスマホの音を鳴らしてしまって、秋は謹慎していました......」
勝ち進むチームを応援スタンドで眺める日々。福井は「喜びより悔しさが大きかった」と本音を明かす。
「『なんでここにいるんやろ?』と思ってしまいました」
福井は趣味を「ウエイトトレーニング」と語るほど、筋力トレーニングに打ち込んできた。ベンチプレスの最高重量は115キロ。チーム2位の濱根安希斗が100キロだというから、圧倒している。福井は「チームのなかで誰にも負けないのはバッティングとベンチプレスです」と胸を張った。
今春の練習試合は、ほとんどがDHでの出場。6割超の驚異的な打率を残し、センバツでの先発出場をつかんだ。
1打席目には花咲徳栄の本格派右腕・黒川凌大(りょうた)の決め球であるカットボールを見極め、フルカウントまで持ち込んだ。しかし、最後は142キロのストレートに空振り三振に終わった。
福井はこの打席に悔いが残っているという。
「変化球の見極めは、今までやってきたことが出せました。でも、1球目から振る最善の準備をしてきたつもりなのに、自分のスイングができませんでした。ふがいなかったです」
2打席目は中飛に倒れ、3打席目に入ると代打を送られて交代した。福井は「信頼を勝ち取れなかった自分の実力不足です」と唇を噛み締めた。
試合中の福井の役割は、打撃だけではない。時にはブルペンでリリーフ投手の投球練習を捕球する仕事もあった。
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