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ドラフト1位でも安泰ではない現実 智辯和歌山・中谷仁監督が語る「高卒→プロの難しさと進学という選択の意義」 (3ページ目)

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi

 智辯和歌山の昨春の選抜準優勝メンバーも、全員が進学予定だ。そのなかで中谷監督が最近、とくにうれしいと明かしているのが、卒業生たちが大学野球で活躍している姿だ。

「中西もそうですが、関東や関西圏の大学で活躍しているOBが増えてきました。主将や主力として活躍している選手はもちろんですが、高校時代は控えだった選手が、大学ではキャプテンや幹部になっている。それが何よりうれしいですね。

 そうした姿を見ていると、高校3年間の"やらされる練習"が、いかに楽なものだったかを大学で学んでいるのだと感じます。だからこそ次のステージに進んでも、努力の仕方がわかっている。そんな流れができていると思います」

【1年でも長くユニホームを着るために】

 別のケースとしては、2022年のエースだった武元一輝(現・MLBアスレチックスマイナー)がハワイ大へ進学したことが話題になった。武元も高卒からのプロを志望していたひとりだが、その特性を踏まえ、中谷監督が海外の大学進学を勧めたという。

「彼のレポートを見ていたら、日本の野球界ではなかなか理解されにくい資質があったんです。最速151キロを投げる187センチの長身右腕で、そのスケール感や性格面を踏まえると、海外の大学のほうがマッチするんじゃないかと思ったんです」

 アメリカの大学は、日本に比べて学業優先の風潮が強く、学生であることをより重視している。英語の授業を受け、英語でレポートを提出しながら野球を続ける環境ではあるが、若いうちから世界に触れることで、より視野が広がるのではないかという狙いもあったという。

「彼がメジャーに行くのか、NPBに進むのかという話ではなく、彼の性格を生かして海外で学ぶことで、よさがより引き立ち、可能性も広がると思っています」

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