2年生で甲子園優勝投手の現実を知る男が見つめる未来 京都国際・西村一毅が沖縄尚学・末吉良丞に送るメッセージ (3ページ目)
2023年の小宅雅巳(慶應義塾高)、24年の西村、そして25年の末吉良丞(沖縄尚学)と、近年、夏の甲子園では2年生の優勝投手が続いている。だが、小宅と西村はいずれも、最上級生となってからは、なかなか思うようなパフォーマンスを発揮できないまま終わっている。
【下級生で一番上の景色を見た苦悩】
夏の甲子園後、西村はU−18日本代表に選出された。貴重な左腕の先発投手として、3試合に登板した。
「自分よりレベルの高い選手ばかりで、吸収すべきことが本当にたくさんありました。外国のバッターは身体が大きく、スイングも強かった。だからこそ、投げミスだけは許されないと思いながら投げていました」
その代表チームのなかには、唯一2年生で選出された末吉の姿もあった。
西村と同じ左腕。タイプはやや異なるものの、代表チームのなかでは、やはり末吉の動きを自然と追っていた。
「末吉は身体がすごく柔らかく、身体の使い方も本当にうまい。初めて間近で見て、分厚さも感じました。あの大きな身体を、ピッチングのなかでしっかり使いこなしていますし、ストレートも速くて球のキレがいい。ボールにも重みがありますよね」
その末吉から、西村はスライダーを教えてもらったという。おとなしい性格の末吉と、自分から積極的に話しかけるタイプではない西村は、キャラクター的にもどこか似ている。ただ、2年生左腕の優勝投手という大きな共通点もあった。だからこそ西村は、末吉がこれから経験するかもしれない苦難に対し、どこか同情にも似た思いを抱いていた。
「これから、周囲の期待は相当大きくなるんだろうなと思いました。(沖縄を後にする前に)末吉には『あと1年間、頑張って』と言いました」
末吉は今秋の県大会で優勝したものの、九州大会では準々決勝で神村学園に1--4で敗れた。来春のセンバツ出場は微妙と見られていたが、九州国際大付が明治神宮大会で優勝したことで、神宮枠が九州にもたらされ、出場の可能性は高まりつつある。いずれにせよ注目度が増す末吉の今後にエールを送りながら、西村は2年生で優勝を経験したからこそ直面した難しさを口にした。
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