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【高校野球】昌平は敗戦から学び強豪になった 指揮官の目標の日本一は「必ず実現できる」 (3ページ目)

  • 白鳥純一●取材・文・撮影text & photo by Shiratori Junichi

――岩崎監督が高校生を指導するうえで、最も大切にしていることは?

「野球で勝利をつかむことももちろんですが、卒業生が世に羽ばたき、社会に貢献していくことが最も大切だと思っています。人目を気にしすぎるのはよくありませんが、自分の価値をアピールして提供することができ、人から評価してもらい力強く社会で生きていくことができる力を、昌平高校野球部で身につけてもらいたい。

 一見、人間教育と野球の上達は別の目標に見えて、一直線上にあるものだと私は思っていて。たとえば、相手投手の細かな変化や捕手の気配を感じ取り、それをプレーにつなげていくこと。グラウンドでの日々のそういった積み重ねが、のちの人生でも生きてくるんじゃないかと思っていて、選手たちにもその大切さを伝えています。三菱重工名古屋時代からお世話になっている方に『勝利求めぬ教育なし、教育なくして勝利なし』という言葉をいただき大切にしています。

 野球で活躍してくれたらすばらしいですけど、『人生100年時代』と言われる時代を生きる彼らは、これから社会に出て、何らかの形で40年、50年と働くことになる。『彼らの長い人生で、野球での経験が役立てば』という思いで、彼らと向き合っています」

――「昌平高校に入学したい」という中学生も多くいらっしゃると思います。

「本校は文武両道ですから、大変な生活が待っています。『絶対に野球を3年間続けるんだ』『大変で当たり前』という気持ちがなければ、乗り越えられないこともあると思います。それでも甲子園を目指し、高校を出た先のことを見据えて頑張りたい人には、これ以上ない環境です。『我こそは!』という中学生のみなさんは、ぜひチャレンジしてもらえたらうれしいです。生徒との人としての本当のお付き合いは、卒業してからであると常々思っています。お預かりした生徒とは"出口"まで責任をもって寄り添おうと思います」

(高校通算49本のスラッガー・櫻井ユウヤが振り返る昌平での日々 プロ野球への思いも語った>>)

【プロフィール】

岩﨑優一(いわさき・ゆういち)

1992年生まれ。昌平高校から獨協大に進み、社会人野球の三菱重工名古屋(2020年限りで統合)でプレー。2018年の日本選手権で優勝を経験した。引退後、母校のコーチを務めたのち、2023年秋に監督に就任した。

<取材協力/秋山高志>

著者プロフィール

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