検索

【ドラフト】「大阪桐蔭史上最高の素材」森陽樹に重なる達孝太と才木浩人 未完の190センチ右腕は伸びしろしかない (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro

 ちなみに達は、高校3年の5月末にヒジの炎症により、最後の夏は背番号11で戦った。本人いわく「選抜の時は2400台だったストレートの回転数が、夏は2200台が多くていい状態じゃなかった」という。準決勝で高田商にサヨナラ負けを喫し高校野球を終えたが、ドラフトでは単独指名を受けた。

 一方の才木は、最後の夏は2回戦で報徳学園を相手に完投するも敗戦。11安打を許し、バッテリーミスもあって5失点。試合後、「この先はスライダーやフォークのキレをもっとよくしたい」と語ってから3カ月後、阪神から3位で指名された。

 当然ながら、まだ心身共に未熟な高校生はさまざまな課題を抱えている。ドラフトを目前に控えた森に「いま足りないと感じているのは?」と聞くと、こう返してきた。

「フォームにしても、ボールにしても、安定感をもっとつけて、再現性を高めていきたい」

 はたして、森の未来はどこへつながっていくのか。

つづく>>

 『怪物 江川卓伝』(著・松永多佳倫)
令和に蘇る怪物・江川卓の真実──。
光と影に彩られた軌跡をたどる評伝が刊行!
高校時代から「怪物」と称され、法政大での活躍、そして世紀のドラフト騒動「空白の一日」を経て巨人入り。つねに話題の中心にいて、短くも濃密なキャリアを送った江川卓。その圧倒的なピッチングは、彼自身だけでなく、共に戦った仲間、対峙したライバルたちの人生をも揺さぶった。昭和から令和へと受け継がれる“江川神話”の実像に迫る!

著者プロフィール

  • 谷上史朗

    谷上史朗 (たにがみ・しろう)

    1969年生まれ、大阪府出身。高校時代を長崎で過ごした元球児。イベント会社勤務を経て30歳でライターに。『野球太郎』『ホームラン』(以上、廣済堂出版)などに寄稿。著書に『マー君と7つの白球物語』(ぱる出版)、『一徹 智辯和歌山 高嶋仁甲子園最多勝監督の葛藤と決断』(インプレス)。共著に『異能の球人』(日刊スポーツ出版社)ほか多数。

フォトギャラリーを見る

4 / 4

キーワード

このページのトップに戻る