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【大学野球】高校時代のほろ苦い日々を糧に立教大でエースに 小畠一心がラストシーズンに懸ける勝てる投手への覚悟 (3ページ目)

  • 内田勝治●文 text by Uchida Katsuharu

「スピードは自分に一番足りないものだと思っています。そこまで遅くなった感じはありませんが、イニング数がかさんできたらどうしても落ちるところはあります。そこを一番に考えて、かつ、試合をつくるということは崩さずにやっていければと思っています」

 今春は勝ち点3の8勝5敗で3位と、優勝まであと1勝届かなかった。2017年春以来の天皇杯奪取へ。就任2年目の木村泰雄監督も、エースに期待するところは大きい。

「春はコンディションがあまりよくなくて球速も上がりませんでしたが、今は150キロ手前ぐらいまで来ています。当然1戦目をまかせて、なおかつ3戦目までいくケースもあるので、フル回転になると思いますが、しっかりと勝ちきれるような投球をしてもらいたいですね」

 小畠自身も、自らが果たすべき仕事は十二分にわかっている。

「各大学のエースもみんなプロ志望ですし、この秋は絶対に負けたくありません。試合をやるからには、引いたら負けだと思っています。その気持ちは誰よりも一番持っている自信はあります。最終的には勝てる投手になりたいんです。勝ち数にこだわって、防御率がついてきたらいいなと思っています」

 もう1位以外はいらない。セントポールのエースは最多勝、最優秀防御率、そして天皇杯を置き土産に、プロの門を叩く。

著者プロフィール

  • 内田勝治

    内田勝治 (うちだ・かつはる)

    1979年9月10日、福岡県生まれ。東筑高校で96年夏の甲子園出場。立教大学では00年秋の東京六大学野球リーグ打撃ランク3位。スポーツニッポン新聞社でプロ野球担当記者(横浜、西武など)や整理記者を務めたのち独立。株式会社ウィンヒットを設立し、執筆業やスポーツウェブサイト運営、スポーツビジネス全般を行なう

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