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【夏の甲子園2025】準備を徹底したうえでの「ノーサイン野球」弘前学院聖愛・原田監督の次なる目標は「ノー監督野球」 (3ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka

 そう言う原田監督だが、じつは昨年夏の青森大会で"ノー監督野球"を経験している。3回戦のむつ工業戦の前に体調を崩し、発熱。ベンチに入ることができなかったのだ。ベンチ入りした大人は西中裕也部長だけ。原田監督は自宅で静養しながらネット中継で試合を観た。

「ベンチにいないからこそわかることがたくさんありました。あれもやってない、これもやってないって。試合後のミーティングでも、ベンチにいたら言えなかったことをたくさん言えましたよ。まぁ、一番の収穫はベンチに監督がいなくてもいいんだとわかったことなんですけど。自分がいなくても普通にできるじゃんって(笑)」

 エナジックスポーツ(沖縄)の神谷嘉宗監督は「選手に任せて、監督は笑って見守っているだけ」と言っていたが、聖愛のノーサイン野球は、徹底したミーティング、打合せをしたうえでの"準備野球"。

 そのうえで、試合中にもヒントや気づきを与える助言をし、間違っている選手がいれば声をかけて修正を促す。春のエナジックとは違ったノーサイン野球のかたち。聖愛流ノーサイン野球に注目してほしい。

 『JK=自立と工夫で常識を変える』(弘前学院聖愛高校野球部監督・原田一範の挑戦)

著者:田尻賢誉

内容:青森県の強豪を抑えて二度、甲子園に出場している弘前学院聖愛高校野球部の取り組みを公開。ターゲットは「勝ち」だけではなく、人としての「価値」。自主的に動ける自立した心を育て、無理だと思ってもなんとかしようとする工夫を続ける。常識にとらわれない人づくり、チーム改革の仕組みを、長年原田監督を取材する著者が紹介する。

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