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【夏の甲子園2025】ノーサイン野球は自由じゃない! 弘前学院聖愛が実践する「思考力を育てる」高校野球の新しい形 (4ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka

「打席での役割は『出る、進める、還す』。これがわからないとノーサインにならないです。アウトの定義がわからないとノーサインにならないです。状況中心のポジショニングなのか、バッター中心のポジショニングなのか。その理屈もわからないと、ノーサインにならないです。配球もピッチャー中心の配球なのか、バッター中心の配球なのか、状況中心の配球なのかわからないとノーサイン野球にならないです。

 でも、ノーサインにしたら、アウトの定義も何もない走塁なんて普通にありますからね。要は(野球を)わかってないんですよ。だから、ノーサインは本質を覚えるのに最高のツールだと思います。ただ、デメリットは圧倒的に時間がかかるということです。秋には間に合わないですね。ひと冬かけて攻略本(※原田監督がまとめた聖愛野球の基本マニュアル。教科書のようなもの)をもとにミーティングして、ミーティングして、ミーティングして......。春になって答え合わせして、答え合わせして、答え合わせして......という感じですかね」

 もちろん、どれだけミーティングをしても、どれだけ事前教育をしても大丈夫ということはない。

つづく

 『JK=自立と工夫で常識を変える』(弘前学院聖愛高校野球部監督・原田一範の挑戦)

著者:田尻賢誉

内容:青森県の強豪を抑えて二度、甲子園に出場している弘前学院聖愛高校野球部の取り組みを公開。ターゲットは「勝ち」だけではなく、人としての「価値」。自主的に動ける自立した心を育て、無理だと思ってもなんとかしようとする工夫を続ける。常識にとらわれない人づくり、チーム改革の仕組みを、長年原田監督を取材する著者が紹介する。

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