今秋ドラフトで注目のBCリーガー3人 リーグ屈指のスピードスターやスラッガー、成長著しい21歳左腕も (2ページ目)
野球は大学でやめるつもりだったが、大学生活の最後にチームを神宮大会に導けず負けたことが転機になった。
「『もっと野球がしたい』と思いましたが、試合に出られるようになったのが4年からだったので、社会人に進むには遅かった。そんな時に、BC栃木から声をかけていただきました」
BC栃木は、今季から山下徳人監督(元ロッテ)を中心に元NPB選手の指導者が多く、過去にもNPB選手を多く輩出している。2023年には、やはり俊足の尾田剛樹が中日から育成ドラフト3位指名を受けている(現在は支配下選手)。
それ以前にも独立リーグからは、樋口正修(BC埼玉→現中日)や、岩田幸宏(BC信濃→ヤクルト)など、俊足タイプの野手がNPB入りした例が多い。もちろん足だけではNPB入りは難しいが、打撃や守備などで存在感を示せれば、可能性は大きくなってくる。
「性格は穏やかです。打席でも冷静。ある程度配球は読みますが、積極的に打ちにいきます。走塁でも、1球目から盗塁を仕掛けられる積極性が持ち味ですね。ヒットを1本打った"次の1本"も大事だと思っています」
短く持ったバットでヒットを量産し、すかさず走る。相手にとって"嫌な打者"であり続けるのが桃次郎だ。出塁率は5割、得点圏打率も4割前後をキープする。
「目指す数字は4割、30盗塁です。試合数は大学より多いですが、NPBも試合数は多いですから慣れないといけない。後半は相手も対策してくるので、自分も研究と準備をして対応していきます」
秋まで好調が持続すれば、ドラフトに向けて大きく前進できるだろう。BCリーグのなかでも特にファンが多いBC栃木の応援を背に、誰にも負けない足で駆け抜ける。
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