【高校野球】周東佑京の生まれ故郷・群馬に新たなスピードスター 関東学園大附・吉澤咲人は一塁到達3.68秒の快足で甲子園を目指す (2ページ目)
【関東学園大附を選んだわけ】
その理由は、前述の「足が速くなった理由」とも重なる。早稲田大出身の羽鳥達郎監督が、外部の専門家を積極的に招き入れ、本格的なトレーニングに取り組める環境が整っていたからだ。吉澤は「ウエイトやジャンプ系の瞬発力トレーニングで鍛えたことで、出力が上がり、脚力や肩の強さが増しました」と、その効果を語る。
打撃面では、ヘッドが下がる打ち方を修正。俊足を生かせなくなってしまう凡フライを減らすため、バットのヘッドを立て、逆方向へ低く強い打球を打てるよう取り組んできた。
トレーニングは林泰祐氏、打撃は十河春斗氏と、それぞれ多くの選手やチームから信頼を集める外部指導者のもとで多くのことを学び、大きく成長を遂げてきた。
羽鳥監督は吉澤について「練習もよくするし、真面目。学校の先生たちからの評判もいい」と目を細める。「本音を言えばもっとズル賢くなってほしいですが......」と笑うが、「伸びしろしかありません。体の出力が高いので、打撃はもっとよくなるでしょう」と期待をかけている。
そして、高校卒業後の進路について、吉澤は「小さい頃から行きたいと思っていましたし、自分がどこまで通用するかチャレンジしたいんです」と、プロ志望を掲げる。たとえ育成指名であっても、NPBの世界へ進む意向だ。
走塁に関しては、単なる走力だけでなく、相手投手の癖を見抜くことにも自信を持ち、それを盗塁へとつなげている。
憧れの選手は、ソフトバンクの周東佑京と、日本ハムの五十幡亮汰の名前を挙げ、「足を生かした打撃や、誰もが捕れないと思った打球を捕れる守備ができるようになりたいです」と語る。
最後の夏に向けて「一戦一戦をしっかり戦い、健大高崎を倒して甲子園に行きたいです」と、力強く語っていたが、初戦で前橋工業に9対10で敗れ、甲子園の夢は潰えた。それでも吉澤は3打数2安打、1打点、1盗塁と気を吐いた。
「プロに行くなら、(スカウトの方に)9月まで成長を見てもらえる」と羽島監督が話していたように、甲子園という夢は敗れたが、プロ野球選手というもうひとつの夢に向かって、吉澤は走り続ける。
著者プロフィール
高木 遊 (たかぎ・ゆう)
1988年生まれ、東京都出身。大学卒業後にライター活動を開始し、学童・中学・高校・大学・社会人・女子から世代別の侍ジャパン、侍ジャパントップチームまでプロアマ問わず幅広く野球を中心に取材。書籍『東農大オホーツク流プロ野球選手の育て方〜氷点下20℃の北の最果てから16人がNPBへ〜』(樋越勉著・日本文芸社)『レミたんのポジティブ思考"逃げられない"な"楽しめ"ばいい!』(土井レミイ杏利著・日本文芸社)『野球で人生は変えられる〜明秀日立・金沢成奉監督の指導論(金沢成奉著・日本文芸社)では、編集・構成を担当している。
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