【高校野球】「憧れの選手はアーロン・ジャッジ」 浦和学院の4番・藤井健翔は大学も社会人も断り「プロ一本」宣言 (3ページ目)
「小さい頃からの夢でもありますし、自分は何かをやるからには一番上を目指したい性格なんです。野球なら、やっぱりプロが最高峰だと感じます。ただ、今はまだ、憧れのほうが強いと感じます。単純に大勢のお客さんの前でプレーしたい思いが強いです」
森監督に退路を断った藤井の決断について聞くと、34歳の若き指揮官は真っすぐにこちらを見て答えた。
「彼にはそれだけの魅力がありますし、『プロ待ち(大学・社会人の内定を得たうえでプロ志望届を提出すること)』はしてほしくないと感じたんです。プロを狙い続けるなかで、泥臭く、プレッシャーに打ち勝ってほしい。本当に努力家なんですよ、彼は。考え方も大人っぽくなってきていますし、あとは結果を残すだけですね」
浦和学院は準決勝、決勝と勝ち上がり、春季埼玉大会で優勝。藤井は2試合で3本塁打と荒稼ぎし、通算本塁打の数を31本としている。17日から始まる関東大会でも、浦和学院は横浜(神奈川)や健大高崎(群馬)と並ぶ優勝候補と言っていいだろう。
浦和学院の恐ろしさが世間に周知されるにつれ、藤井健翔の株も自然と上がり続ける。そんな春になる予感がする。
著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。
フォトギャラリーを見る
3 / 3