【高校野球】「憧れの選手はアーロン・ジャッジ」 浦和学院の4番・藤井健翔は大学も社会人も断り「プロ一本」宣言 (2ページ目)
花咲徳栄戦では2四球と空振り三振のあと、大器の片鱗を見せたシーンがあった。花咲徳栄の背番号1・正岡大弥の前に2ストライクと追い込まれながらも、藤井は強振。打球はレフト上空に舞い上がる大飛球になった。
「打った瞬間にいったと思いました」
そう語る藤井だったが、この時、UDトラックス上尾スタジアムの上空は本塁方向へ強風が吹いていた。藤井の大飛球は、逆風に押し戻されてしまう。レフトフェンスに張りついた花咲徳栄の左翼手・田島蓮夢がフライを捕球し、あえなくアウトに。しかし、とてつもない滞空時間に藤井の恐ろしさが垣間見えた。
「自分のなかでは完璧な当たりだったんですけど、もろ逆風で戻ってきた感じでしたね」
【憧れの選手はアーロン・ジャッジ】
今年の埼玉県には、櫻井ユウヤ(昌平)という右投右打のスラッガーがいる。4月中旬の時点ですでに高校通算40本塁打をマーク。ポジションが同じ三塁手ということもあり、藤井は櫻井の存在を意識している。
「コンタクト率が高くて、勝負強いバッターだなという印象を持っています。ライバルではあるんですけど、これからプロで活躍することを考えたら、すごい同級生に対しても圧倒的な結果を残していかないといけないと感じています。今の自分はまだまだなんですけど、圧倒していきたいですね」
憧れの選手はアーロン・ジャッジ(ヤンキース)。その理由がまた、独特だった。
「打撃成績に偏りがないのがいいですよね。ホームランが多いのはもちろんですけど、打率もそれなりに残すし、打点も多い。均等に数字を残せるのがいいなと感じます」
自身の課題は「得点圏打率があまり高くないこと」ととらえている。それが4番打者の自分に求められる数字だと、自覚しているからだ。ただ単にパワーを求める大砲タイプではない。
現時点で大学・社会人からの誘いを断り、進路を「プロ一本」に絞っている。なぜプロになりたいのか。そう尋ねると、藤井はてらうことなく答えた。
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