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ドラフト指名漏れから2年 セガサミー・尾﨑完太が新球をマスターして再浮上!「プライドなんて全然ない」 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

【評価割れた今季公式初登板】

 セガサミーに入社して2年目の公式戦登板は、3月9日、JABA東京スポニチ大会のJFE東日本戦(神宮球場)だった。

 しかし、その投球はいかんとも評しがたい内容だった。立ち上がりに先頭打者に安打を許すも、捕手の吉田高彰が好送球で盗塁を阻止。勢いに乗りたいところだったが、2番打者に四球を与えてしまう。すると、尾﨑は目線を巧みに使う得意の一塁牽制で走者を刺す。ようやく難を逃れたかと思いきや、3番打者に再び四球を与える......。結果的に立ち上がりは0点に防いだのだが、2回までに3四死球、42球を要した。

 3回は二死までこぎ着けながら、連打で2点を失う。このままズルズルとつかまるのかと思いきや、4回は一転して7球で三者凡退。つかみどころのない、4回2失点の結果でマウンドを降りた(チームは1対8で敗戦)。

 試合後、セガサミーの西田真二監督(元広島)は尾﨑について、こう語っている。

「結果は2失点に抑えてるんやけど、評価しづらいね。(入社2年目の)尾﨑と岩本(大地)には、今年やってもらわないと困るんで。勝てるピッチャーになるために、勝ちグセをつけてもらいたい。ピンチを招いても、ゼロに抑える投球ができるかやね」

 指揮官の言葉に、尾崎に対するもどかしさが伝わってきた。ところが、尾崎本人の表情は決して暗くなかった。

「今年初の大会で、感覚よく投げられた印象です。結果は悪く見えるかもしれませんが、収穫の多い試合でした。真っすぐの強さを大会で試せましたし、変化球についてこようとするバッターの反応も見えました。全部の変化球でストライクが取れたのはよかったです」

 試合中、カーブ以外に落ちる変化球で打者を打ち取るシーンがあったことについて尋ねると、尾﨑は「チェンジアップです」と答えた。今季からチェンジアップとツーシームを新たに持ち球に加えたという。

「去年はカーブが入らなかった時に、頼る球が真っすぐしかなかったので。今年は今まで投げていない球種も試せているので、いい感じかなと」

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