【選抜高校野球】「第二の大谷翔平を目指す」怪物は194センチ、98キロ 山梨学院・菰田陽生の挑戦 (3ページ目)
【目指すは第二の大谷翔平】
ただし、本人の強い希望は、あくまでも「二刀流」だ。報道陣から理想の選手像を聞かれた菰田は、迷いなくこう答えている。
「大谷翔平選手みたいになっていきたいです。世界でも二刀流で活躍しているのは大谷選手ひとりだけですけど、自分がふたり目になりたいです」
投手としても「練習試合をとおして、だんだんよくなっている」と手応えを深めている。
甲子園でも24日に行なわれた2回戦の西日本短大付(福岡)戦に4番手として登板し、3イニングを投げて無安打、無失点の好投を見せ、最速152キロを記録した。
山梨学院の指導陣は、菰田の資質をどのように見ているのか。技術指導をする吉田部長に聞いてみた。
「入学当初はバッティングがあまりよくなくて、『でかいだけ』という感じだったんです。本人もピッチャー志望だったんですけど、モノはやはりいいので、教えていくうちにどんどんよくなりました。未完成ではありますけど、あのスケール感はセンバツで優勝した代(2023年)のクリーンアップよりも、もうワンランク上だと感じます」
なお、吉田部長は山梨学院の吉田洸二監督の長男であり、若手ながら勉強熱心な指導者として知られる。横浜高の黄金時代を築いた名伯楽の小倉清一郎さんも、吉田部長について「今まで出会ったなかでも、あれだけ一生懸命にやる子はいないよ。成功してもらいたいね」と語っていたことがある。
菰田が当てにいくようなスイングを見せると、吉田部長は「全部三振してもいいくらいのつもりで振れ」と指導するという。吉田部長は笑顔でこう続けた。
「ソフトバンクの試合を見ると、山川穂高選手が空振りをしただけで、『ワ〜!』って沸くじゃないですか。あのスケール感を求めていってほしいんですよね」
センバツが終わったあとは、本人の可能性を広げるために三塁手を練習するプランもあるという。
菰田が秘める投打の適性について聞くと、吉田部長はこう語った。
「今は二刀流にチャレンジして、投打とも高校生としてトップレベルまで引き上げていけたらと思います。彼はもうひと冬あるので、まだまだよくなる可能性があります。その後のことは、上の世界の指導者の方にお任せしたいと思っています」
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