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データで進化する野球の未来 アナリストが描く新たな可能性「野球界で働きたい人は今がチャンス」 (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke

 こうしたテクノロジーを扱って選手やチームにアドバイスするアナリストの存在も、同時に求められるようになっていった。

 各球団はデータ会社からリクルートすることに加え、データ活用が好きな元選手を転身させたり、大学院で知見を深めた学生を採用したりし始めた。選手としての実績がなくても、プロ野球の現場で働けることに魅力を感じる者は少なくなかった。

「じつは数年前、『アナリストはもう飽和だろう』という話があったんです」

 星川氏はそう明かした。球界全体で、アナリストの採用が一気に進んだからだ。

 だが、業界の予想は外れた。ホークアイという、テニスで先に採用された映像解析テクノロジーがMLBで導入されると、NPBでも一軍の全本拠地に設置されるようになった。最先端テクノロジーが次々とリリースされ、それらを扱う専門家も同時に必要とされ続けているのだ。

 さらにアメリカのドライブラインや日本のネクストベースなど、データ活用とトレーニングを組み合わせたサービスを提供する施設の需要が高まっていく。単純に試合や練習で採取したデータを分析してアドバイスするだけでなく、各自に合理的な動作を提案するバイオメカニストが求められるようになったのである。

 つまり、テクノロジーやスポーツ科学の進化にともない、現在の野球はそれほど深く探究されるようになっているのだ。

【アナリスト養成講座がある】

 球界の潮流を最前線で知る星川氏が、2024年に始めたのが「スポーツアナリスト養成講座」だ。いわゆる「アナリスト」として現場で活躍する人材は多岐に渡るが、全12回の講座ではそのすべてに触れられる内容となっている。

・スコアリング
・プログラミング(パイソン、R)
・セイバーメトリクス(統計学)
・打撃・投球トラッキングデータ(ブラスト、ラプソード、トラックマン)
・バイオメカニクス

 上記のテーマごとに一流講師がやって来て、現場の最前線を語る。楽天でデータエンジニアとして働く川越隆裕氏、西武でバイオメカニクスグループに所属する永見智行氏、ロッテでアナリストを務める丹治怜峰氏などだ。

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