夏の甲子園の裏で開催されたもうひとつの高校野球 「リーガ・サマーキャンプ」って何だ⁉︎ (5ページ目)
当事者の高橋倖冴(北越)はこのルールをどう感じたのか。
「疲労が抜けないまま2試合目に出て、結構きつかったです。代走が出てくれることによってバッティングに集中できるし、ベンチにすぐに帰って守備に切り替えられる。疲労度はそこまで変わらないけど、走塁を考えなくていいのはよかったです」
では、高校野球でも導入するのはどうだろうか。
「自分は走塁もしたいので......。リーグ戦なら導入してもいいと思うけど、高校野球はトーナメント戦です。連戦の2日目は体力的にもきつくなるので、走るのが得意ではないキャッチャーに希望制で使うのはいいと思います」
近年、高校野球は球数制限や低反発バットの導入など、さまざまに変わり始めている。未来に向けて、どんな形にしていくのがいいのか。公式戦でいきなり変えるのではなく、試験的に導入し、判断するのもアリではないだろうか。
そうした意味でも、リーグ戦、補欠なし、監督不在、木製バット、7イニング制、そして捕手の臨時代走など独自のルールが多く見られたリーガ・サマーキャンプは、高校野球に一石を投じる取り組みになった。
著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。
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