六大学ベストナイン選出の東京大・大原海輝が浦和高を選んだ理由「21世紀枠で甲子園を狙えるんじゃないかなって」 (4ページ目)

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

【文武両道と甲子園出場を目指して浦高へ】

ーー地元の所沢市立安松中へ進みますが、当時の野球部はどんな感じでしたか?

 実は、中学の野球部の先生が、前任の中学を全国大会に連れて行ったことがある熱心な方で、朝6時に集まって夕方6時ぐらいまで練習するような感じでした。本当に、野球に時間を割いた中学生活でした。

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ーー対して勉強のほうはいかがですか? たとえば、当時の得意科目と不得意科目は?

 正直、得意科目も不得意科目もなかったです。僕は暗記をするのがすごく得意だったので、何とかテスト勉強を乗りきれちゃうみたいな感じがあって、苦手だなって思った科目はあまりなくて......。強いて言えば、国語ですね。

ーー現在は人文学科にもかかわらず?

 そうですね(笑)。

ーー大原さん流の暗記法とかはありましたか?

 僕の場合は、とりあえず書く。自分の覚えたいところを何回か書いたほうが定着しやすいです。

ーー高校・大学の進学先のイメージはどのようにつくっていきましたか?

 中学に入った当初は、東大というよりも、甲子園に行きたい思いが強くて野球の強い高校に行きたいなと思っていたんです。でも、中学で少し経つと、ある程度の勉強の成績が見えてきたのもあって、勉強もできて野球も強い高校に行きたいと思うようになりました。もちろん、東大は当時まだ考えていませんでしたが。

ーー勉強と野球の両方で選ぶと、少し限られてきますね。

 たしかに勉強と野球の両立となると、私立でも公立でも限られてきてしまうのもあって、けっこう厳しいかもしれないと塾の先生とも話をしていて......。まずは自己推薦入試で早稲田実業を受けたんですが、落ちちゃったんです。

 そんな頃、浦高(埼玉県立浦和高)が秋季大会で何十年かぶりのベスト16に入ったのを知って、もしかしたら浦高で21世紀枠での甲子園出場を狙えるんじゃないかなって。その時の僕にとって、公立で行ける勉強での一番高いレベルで、甲子園に一番近いかもしれない高校が浦高だったんです。

ーー浦高は納得の選択でしたか?

 はい。入学してすぐに体育の授業で思いきり走らされたり、体育大会とか行事もいっぱいあって、それでいて文武両道が当たり前の環境だったので楽しかったですよ!

ーー後編では、東大受験や現在の野球部の話を深掘りしていきます。

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後編<文武両道の高校球児に東大野球部入部のススメ 六大学ベストナイン大原海輝「今が一番楽しくて、やりがいがある」>を読む

【プロフィール】
大原海輝 おおはら・かいき 
2002年、埼玉県生まれ。幼い頃から野球を始め、安松中、浦和高でプレー。1浪を経て東京大理科一類に合格、その後文学部人文学科に転部。東京六大学野球では2024年春季リーグで33打数11安打8打点1本塁打、打率.333の好成績でベストナインに選出された。

著者プロフィール

  • 門脇正法

    門脇正法 (かどわき・まさのり)

    マンガ原作者、スポーツライター。1967年、埼玉県生まれ。日本女子体育大学大学院スポーツ科学研究科修士課程修了。アニメ『ドラゴンボールZ』の脚本家である小山高生氏からシナリオを学び、マンガ原作者デビュー。特にスポーツアスリートの実録マンガを得意としており、『世界再戦ー松坂大輔物語ー』(集英社/少年ジャンプ)、『好敵手ー室伏広治物語ー』(同)、『闘球「元」日本代表ー福岡堅樹物語ー』(集英社/ヤングジャンプ)の原作を担当。現在はマンガの原作だけでなく、「少年ジャンプ」のスポーツ記事特集『ジャンスタ』を中心に、『webスポルティーバ』の「文武両道の裏側」など、スポーツライターとしても活躍中。著書に『バクマン。勝利学』『少年ジャンプ勝利学』(ともに集英社インターナショナル)などがある。

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